仕事するわたし。   

相変わらず、プチ不調がつづいています。

咳はだいぶおさまりました。

それでも仕事はやらねばならぬのじゃ。



会社のほうでは、あたらしいクライアントの担当になり、

フリーランスのお仕事もスペシャルに夢みたいな企画が実現しつつあり、

いままでの3倍くらいの仕事量になっています。

嫌なことがあったり、しんどいなってとき。

失語症のように、コピーが書けなくなったりするんだけど。

それでもやっぱり、書き続けなければいけないのです。

1本の名コピーを書くことより、淡々と、黙々と、長い日々、

ずっと書き続けることのほうが、とてもむずかしい。

むかし、杉山登志、という名クリエーターがいた。

1960年代から500本以上のコマーシャルを制作し、

資生堂の一時代を築いた人だった。

彼は、死んでしまった。

* * *

リッチでないのに リッチな世界などわかりません。

ハッピーでないのに ハッピーな世界などえがけません。

夢がないのに 夢を売ることなどは……とても。

嘘をついてもばれるものです。

* * *
こんな遺書を残して。

わたしは、わかる。

とても悲しいことがあった日、心が傷つき果てた日。

もう立ち上がれないと思った日。

なぜ、こんな日に限って、世界一幸せなあなたへ。

みたいなコピーが書けるだろう?書けるはずがない。でも書かなきゃ。

そんな葛藤をつづけながら、気づけばもう8年が経ち、

あたし、もう新人じゃなくなっていた。

化粧品が大好きで、ママのルージュをこっそり塗っては

ドキドキした小さな頃の思い出。

化粧品が大好きで、大好きで、大学生の頃は、春、夏、秋、冬、

キラキラの新色やあたらしい商品が出るのを心待ちにしていた。

わたしのおばあちゃんは、粋な人。

昔、隣の家の火事が飛び火して、祖母宅も全焼した。

ススだらけの真っ黒い顔をし、着の身着のままに近くのアパートに避難し

命からがら、助かった。

その翌朝のこと。

祖母は、放心状態の母と、母の妹にこう言い放った。

「まず、お化粧をしなさい。

 すすけた顔して、みっともない姿でいたら、心までみじめになる。

 まず、お化粧して、しゃんとしなさい」

そう言い放ったそうな。

家が全焼したというのに、お化粧道具だけは持って逃げた、そんな人。

血なのかな。

化粧品が大好きで、化粧品の広告には夢があるって思いつづけて、

恋して、恋して、恋して、いつかは化粧品の広告をつくりたいと、

願い続けた夢。

だからコピーライターになった、ようなもの。

そして。

あと4ヶ月で31歳になるわたし。

とてもとても大きな化粧品ブランドの担当になりました。

わたしのマスカラ・デビューは、このブランドのものだった。

いまもって、わたしはすべてのメイクアップアイテムのなかでも

マスカラがいちばん好き。

商品の担当はこれまでもあったけれど、ブランド全部の担当は

はじめてだし、正直言って、不安。

でも。

自由にやっていいんだよ。

熱くなっていいものをつくろうよ。

言いたいことを自由に言える関係でいよう。

そんなふうに言ってくれるボスに抜擢してもらったことに

とてもとても感謝をしているし、150%、200%の力で返していきたい。

ブランドを担当するということは、知らず知らずのうちに、

自分のカラーが出てきてしまう、意図しようともせずとも。

この巨大ブランドがこれから、どんな色になるのか、我ながらドキドキ。

負けないもん。

がんばるもん。

「誰にでも必死の時代があるのよ」って、むかし、先輩に言われた。

いまのわたしは、必死の時代にとつぜんポーンと放り込まれた感じ。

それでも。

やっぱりこの仕事が大好きなんだって思った。

くだらない人間の心模様に振り回され、疲れ果て、

無気力の失語症みたいになって、でもそれでも仕事だからって書いてると、

書いてるうちにだんだんと元気がふつふつと湧いてくる。

元気だけじゃなくて、勇気や、失ったはずの自信が取り戻せてくる感じ。

やっぱり、自分に力をくれているのは、仕事なんだろうな。

好きなことを仕事にできるってことは、とても幸せなこと。

負けないもん。

ぜったいに、ぜったいに、みんなが大好きなブランドに育ってくれるように

誰よりも担当するブランドを愛して、

商品にレッドカーペットを敷きつづけるんだ。

たった1本の口紅も、言葉や空気がぴったり付加されたそのとき

恋する気持ちや、自分へのご褒美や、励ましや、元気づける

最高のアイテムになる。

がんばろ。

あんど。

いま、なにやらかにやら、イヌ関係のライターのお仕事も

ずいぶん増えてきつつある。

好きなもの(イヌ)×好きなこと(書くこと)が自分の中でmixされて

すごく楽しい。

夢や憧れの世界の住人だったクリエーターの方と一緒に

お仕事できる機会にも恵まれつつある。

わたしは、凹んでも、ぽきんとは折れない。

好きでやってることだもの。

ときどき心の風邪をひきながら、それでもやっぱり、がんばろうと思う。

ときどき泣くけど、がんばらなきゃね。
[PR]

by jrt-mona | 2007-02-21 13:29 | DAYS.

<< いただきまちた。 ごめんなさい >>