考えたいと思う。   

このブログに、病気・医療のカテゴリーをつくりました。

これまでにそういった内容に触れてきたものも、

おいおい、そちらのカテゴリーに移そうと思います。
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最近、自信喪失だったのだけれど。

(自信喪失の理由はまた今度書きますね)

昨日、いろいろ深刻な犬談義をした結果やっぱり思いました。

犬を擬人化するから、見過ごされている問題がたくさんある。

うちの子、かわいいから、この症状もこの子の個性だから。

たとえば、うちの子かわいいから、心配な点はあるけど

また同じブリーダーさんから同じ血統のラインの

(ほんものの)弟や妹を迎えたい。

たとえば、うちの子かわいいから1回は赤ちゃんを産ませたい。

それも、仲のいいお友達の男の子と。

うん。

人間の親心としては、すごく、すごく、よくわかるんです。

でも。

ほんとうにそれでいいのでしょうか?

1度のことならまだ仕方がない。

でも、2度、3度、4度、恒常的に遺伝性疾患が出ているラインであれば

それはブリーダーによる人災なのだと思うのです。

獣医師がJKCのDNA登録課ともっと密なネットワークをもっても

いいかもしれないと、思う。

DNA登録課に申告義務を持たせることも必要かもしれないと思う。

1頭の犬に出ている遺伝性疾患由来(かもしれない)問題は

その1頭の子の闘病と家族の支え、という個の範囲を超えた問題だと

わたしは思います。

闘病をして、家族が、そしてその犬が、生きようと精一杯の

努力をしている。

それは、ほんとうに飼い主さんにも頭が下がるしその子の頑張りに

エールを送りたくなる。

でも、それは、個の努力です。

もっとマクロな視点で見たときには、それはブリーダーによる人災に

翻弄されている犬と家族がそこにいるのだと思うのです。

そして言い尽くせないほどの個の苦労を、インターネットという媒体を

通じて、美談のようにして一括りにする世の中の意識。

本当のことに目を向けようとしない消極性。

ほんとにそうなの?

ブリーダーが自覚しなかったら、ずっとその「個の苦労」が

連鎖していくと、思うのです。

もしその親犬がまたお産をしたら?

もしその兄弟犬がお産をしたら?

運び屋、といわれる、よくない遺伝子のキャリアを脈々と次の世代に

運んで行ってしまうことになるのだと思います。

最近、いろんな問題で苦労するJRTオーナーさんの話を聞きます。

親身になって考えてくださるブリーダーさんも多いかと思います。

うちの犬と交配して、売れなかったらうちでオーナーさん決めてあげる、

なんて言ってくれるショップさんもあるようです。

でも。

ほんとうの親身は、一緒に悩むことや、話を聞いて心配をしてくれること

以上に。

同じ苦労をするかもしれない予備軍を、もうつくらないこと。

人間の決断で、ある程度は変えられる未来なのだと思います。

たぶんまた、こういう正論ぽいこというと、耳にはばったいから

敬遠されちゃうんだろうなぁ。

と思いつつ。

みんな仲良く楽しく幸せな犬ライフがいちばんだと思いつつ。

最近の傾向には、すごく怖さを感じます。

ブリーダーさんとの出会いは、

人だけではなく、犬をみてください。

犬をみれば、わかります。

人は、ある瞬間、やさしくできるし、にこやかにできるし

いい人だなって思えます。

言葉でなんかいいことばかり言う人もいる。

ほんとうにいい人なのかもしれない。

でも。

いちばん大切なことは、犬を見ればわかる。

親犬は、清潔?

親犬は、健康?

親犬のそのまた親犬は、健康?

ドッグショーをしていても、「ショーの賞歴」というものに重みがあることは

重々承知しています。

だから、○○チャンピオン直子とか、みんなですごいって思ったり

良血の「保証」って思ったりする。

だけれど、まず基本は、今現在いる親犬がほんとうに自分の目で見て

健康で、清潔で、幸せそうか。

それってすごく、大切なことなんじゃないかなって思います。

うちの子のお父さんは、あの有名な○○なんですよ!

って話しをよく聞きますが、わたしはその有名な○○という犬の

「実物」に、ここ数年では会ったことがありません。

実際に会ったことがあるかもしれないとしたら、

もう6年以上は前のできごとですが、そのとき3歳くらいだった。

となると。

最低でももう10歳は越えてる。

10歳を越えてて、ほんとに健康に元気にそんなにしょっちゅう

交配できて毎回赤ちゃんがたくさんできるような状態にあるって

ほんと?奇跡?と思ってしまうのです。

子犬はみんなかわいいし、生後60日〜90日の子犬では

パテラや若年性白内障、その他の疾患まで見抜ける人は

ものすごく少ないと思うのです。

それでも、うちは家庭犬だから、気に入った子を飼いたいのです。

というご意見。

その気持ち、すごくよくわかります。

でもね。

一生のうちで、病院にかかる機会が少なくて済むのであれば

少ないに越したことはなく健康がなによりだと、思うのです。

なにかが起きて、後天的な怪我や病気は仕方がない。

でも。

遺伝的問題由来の疾患は、人災です。

また、なにも知らないままに繁殖して

そういった疾患を持った子をつくってしまうのもまた

人災なのだと思います。

擬人化の意味は、いろいろです。

でも、犬は人間がつくりだしたもの。

本来なら、PL法(製造物責任法)のいちばんこまやかな適応が

目指されるべきことのように思います。

でも。

いったん我が家に迎えてしまったら・・・うちの家族だから。

という擬人化の図式で、ほんとうに目を向けるべき問題から

視線の先が少しずれる、ように思います。

いったん直視してしまうと、その後の人間関係が難しくなったり

お友だちの輪のなかで平和に過ごすことが難しくなるし...。

だったら、平和で温和な日々がいちばんと思えばこそ

「それは違うんじゃないかな?」って

あえて言葉にする勇気、なかなかもてません。

自分のまわりにいませんか?

うちの子のお嫁さん募集!とか。

1歳前でも交配はもうできます。お見合いしましょう!とか。

違う。

違うと思う。

ブリーディングをするなら、もう、情報という情報

知りうるすべてのことをできるだけ、シラミつぶしに知ってからでないと。

仮に、できうる万全を喫したとしてさえ、命の不条理は起こりうる。

誰かが、言わないと。

最近、ずっと考えてきて、そんなふうに思います。

わたしは職業的ブリーダーではないけれど繁殖はごくたまに

行っていて、でもそれで利益を得て生活をしているわけではありません。

一般的な言葉でいえば、犬種ファンシャーというポジションにいて

たぶんだからこそ...いっぱい耳に入ってくるんです。

白内障のことも、パテラのことも、てんかんのことも

心臓疾患のことも、免疫不全のことも。

ほんとうに憤りを感じるし、なぜそうまでして繁殖をつづけるの?

と、思うのです。

なんとなく思うのは、この人、前はそんなじゃなかったのになぁ。

という感想。

でも。

個の行動を止めることや批判することによっては

なにも変わりません。

受け入れる側の意識が変わること。

それしか、未来への種まきってないのだと、思うのです。

昨日はすごくまともに犬の繁殖について考える話をして

やっぱりこれは、考えるべき問題、看過すべきでない問題なのだと

思いました。

病気・医療カテゴリーの、パテラやOFAやアレルギーの記事、

よかったら読んでください。
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by jrt-mona | 2007-07-19 00:32 | 病気・医療

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